より よく 生きる

よりよく生きるために

本・犬がいた季節

読み終えたばかりの小説について綴ろうと思う。例のごとくネタバレを含むので、ご了承願いたい。 

 

 

「犬がいた季節」

著者:伊吹有喜

本屋大賞ノミネート作品 

 

三重県にあるとある公立高校が舞台となっており、第1話が昭和63(1988)年、最終話が令和元(2019)年という長い間の物語である。主人公はその都度変わるが、全話通してこの高校で飼われることになった真っ白な犬のコーシローがキーとなる。

 

高校生という大人でも子どもでもない宙ぶらりんな身体や精神と環境のなかで、恋愛、友情、進路、近親者の死別といった様々なものと向き合う、青々しさがまぶしい作品だった。

昭和63年、平成3.6.9.11年と随分と過去の話ではあるのだが、世界は古臭くなく、昭和・平成の独特の燻された香りはしてこない。ただそこかしこに散りばめられた音楽であったり阪神淡路大震災であったりといった要素がその時代にこういったことがあったのだと思い出させる。犬のコーシローはあくまで全てを繋ぐキーであって、彼は学校という限られたスペースや時間で学生たちを見守っているに過ぎないが、大事な主軸でると思う。

 

読了後の感覚として上手い表現が浮かばないが、古臭くはないのだが、懐かしい そんな感覚だった。確実に暖かい物語であるし、もの悲しいだけの物語でもない。ただただ懐かしい、そんな感想だった。あとコーシローのことを読んでいると、実家の犬たちが思い出された。犬はカワイイ。猫もうさぎもだが。コーシローはたくさんの人と出会い、別れる。コーシローと生徒たちは高校生活3年間という時間を共有する。ただそれが過ぎると、ほとんどがもう会うことはない。一期一会のような感じが私は結構好きである。年間10人と濃厚な時間を過ごしたとして、10年で100人の人に愛される。なんと幸せなことだろうか。

 

今回は調べたい、と思ったことは特になかったので思ったことだけを吐露することにする。

 

あ、追伸 アイルトンセナと殺生丸様がでてきたのも大変良いところだと思う。