より よく 生きる

よりよく生きるために

本・木曜日にはココアを

ココアが好きだ。ミルクをいれたものも、豆乳をいれたものも、シンプルにココアだけのものも。できればホットココアがいい。暖かくて、香りまで甘くて、ほっこりする。

夏場によく飲むのは氷紅茶であるが、冬になるともっぱらホットココアになる。我が家には常に市販のココアと豆乳が常備されていて、日に1~2杯は飲んでいたように思う。特に読書をするときはココアがいい。なんとなくだが、本によく合う。これが炭酸ジュースでは物語に入っていきづらいような、そんな感覚がある。やはりココアである。

 

今回は「木曜日にはココアを」を読んだので、ネタバレを交えつつ感想を綴りたいと思う。

木曜日にはココアを

著:青山 美智子

 

以前、青山さんの「お探し物は図書室まで」を読んだ際、世界観というか優しい生綿のような感触が気に入って、また読んでみたいと思った。その時は図書館で借りたのだが、青山さんの本はきっと手元に置いておきたくなるだろうと思って、この「木曜日にはココアを」ともう1冊、文庫本を購入したのだが、やはり間違いではなかったらしい。これはまた、いつかしらゆっくりと息抜きに読みたいと思える物語だった。あまり本棚が大きいわけではないので、購入する本は厳選しているが、お気に入りの作家が増えるのは嬉しい悲鳴である。

川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。そのカフェで出された一杯のココアから始まる、東京とシドニーをつなぐ12色のストーリー。卵焼きを作る、ココアを頼む、ネイルを落とし忘れる…。小さな出来事がつながって、最後は一人の命を救う――。あなたの心も救われる優しい物語。(裏表紙の紹介より参照)

上記の通り、それぞれ主人公の異なる12話の物語が続いていく。しかし、必ず前話で名前が出たり、ちらっと登場した人物が次の話では主人公となり、物語が1周していくというものであった。先ほどあげた「お探し物は図書室まで」ではキーとなる図書館と司書である小町さんが中心となり、主人公の異なるいくつかの物語が続いていくのだが、こうしてバトンタッチで物語が紡がれていくのも面白い。

どちらも謎めいた中心人物がいるのも良い。「木曜日には…」ではマスターという ちょい役であるのにあちらこちらで話を盛り上げる人がいて、「お探し物…」では司書の小町さん。しかしどちらもその背景は深くは描かれない。この人はどんな人で、どんな人生をおくってそうなったのかとても気になる。知りたい…小町さんやマスターを主人公にした物語をよんでみたいと思わせられる。

 

「木曜日にはココアを」では喫茶店の店長から物語が始まり、1周して思い人が主人公となる。どの物語もいいのだが、「半世紀ロマンス」「ラルフさんの一番良き日」「帰ってきた魔女」が特にお気に入りだった。とくに「帰ってきた魔女」の魔女になりたいと思っていた少女が薬学やアロマを勉強し、魔女に近づいていく物語はほっこりした。アロマの先生であるグレイスもウィットに富んでいて、こういう女性になりたいと思う。何かを極めるのは好きでなければ難しいところがある。私は注意散漫であちらこちらに目をむけてしまうので、もう少し何かを極められる人でありたい。できることなら図書館業務を極められたらと思う。

 

暖かいココアを飲みつつ、また司書について学んでいこう。また、次の本を読もう。