より よく 生きる

よりよく生きるために

より よく・金継

ミニマリストであったりシンプリストであったりと私の生活の指針となるのは、より少なく かつ よりよく生きていたいというものがある。この よりよく生きる というのが大切であって、ただただ断捨離を続ければいいという考えではない。過剰な物を持つことはコストであり、リスクである。そのリスクは環境問題にも関係している。私自身に大きな力はないが、少しでも貢献できればと思っている。

keyとなるのは以下の3つ。

  • 不要な物を購入しないボイコット
  • 環境問題に配慮されたオーガニックコットンなどを選んで購入するバイコット
  • リペア

今回はこの3つ目のリペアについて綴りたいと思う。

リペアとは修復。壊れてしまったものを、修理してまた使えるようにするということ。

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こういった焼き物が破損してしまった場合、どうするだろうか。多くの方はそのまま処分してしまうのではないだろうか。不燃ごみかそれに準じた方法で処分するという方法が一般的だと私は思っている。しかし、その器やコップが思い入れのあるものだった場合、どうだろうか。自分の大切なものを、もしくは家族たちがお気に入りにしていたものを、処分する…。お気に入りを処分するというのは、ミニマリストやシンプリストを目指す私でもさすがに胸が痛む。だからと接着剤でくっつけるのも、モノによってはいかがなものか。

上の写真は母が購入した信楽焼のコップで、気に入って毎日のように使っていた。その日常使いの中で落下し、破損してしまったものである。購入する際に同行していたのだが、現地まで赴き、手に取って手触りや重さを見て、自分で選んで購入したお気に入りの1つであるので、それはそれは残念そうであった。ちょうどその頃、私自身が持っている信楽焼のコップにも欠けが見つかった。母が購入したコップと同じ時に購入し、私もコレ!と決めたものであったので残念でならなかった。原因は地震でコップが倒れて欠けたらしい。この欠けをどうしたものか、と考えていた矢先の出来事だった。

知識として金継ぎのことは知っていたが、どのようにすればいいのか、そもそも家でできるものなのかもその時は知らなかった。しかし、現代はとても便利な世の中になったものだと思う。Amazonをみれば専用の金継ぎセットが販売され、YouTubeをみれば金継ぎの方法がUPされているではないか。みてみれば、時間こそかかれども、特別難しいことはなにもないようだった。思い立ったが吉日。早速Amazonにてポチり、YouTubeをみながらリペアを始めた。

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初めての金継ぎであったので、多少不格好であるのだが、コップに水を入れても漏れ出ることはない。ちなみにこの写真の奥にある黒いコップが私のものなのだが、今現在も、まさに今も手元にあり炭酸水を飲むのに使用している。金がはげてきたり、というのは今のところない。

こうして1つの物が命を繋いだのだと思うと、やりがいを感じずにはいられない。一度壊れてリペアしたものが付喪神になれるのかはわからないが、このまま大切にし、長い年月を経てこのコップも付喪神になるかもしれない。私はこうして今ある物たちをリペアしつつ、長く使い続けたいと思っている。

 

しかしながら、金継ぎはやりたい!と思ったときにできるわけではない。割れた・欠けたものがなければ基本的にはすることがないからだ。割れてもいない、欠けてもいないものを、私の金継ぎがしたい!という欲のために破損させていたのでは本末転倒である。そんなわけで、信楽焼のコップ以降、金継ぎセットは工具箱に収納していた。

 

しかし昨年のことである。同居人が、持参した皿にヒビを入れてしまったらしい。カレー皿として使っていたらしいのだが、これではいつ割れるのかもわからないし、指をひっかけて切れてしまう可能性もある。処分するかを確認したところ、ニトリで購入した皿でまだ1年も使っていないのに…とのことだった。処分したくはない、けれど使えない皿…。

 

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致し方ないので、いっそのこと割り切ってしまったうえで、金継ぎをすることに決めた。

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破片が飛び散らないため、袋に入れた状態でヒビの片側を持ち、金槌でヒビの反対側を軽くたたくだけで割ることができる。

ついでに他で欠けができているのものを捜索。まず1枚目は、数年前にろくろ体験をした際に作成した皿。使用回数はさほど多くはないのだが、よく見ると皿の縁の部分に欠けが多くみられた。

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欠けというよりは、塗料がはがれていると表現した方がよいのだろうか。

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もう一つは、これまた同居人が持参したコップである。持参するより以前から欠けがあったが、別段気にすることなく使用していたらしい。

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飲み口に結構大きな欠けであるのだが…気にしない人は気にしないらしい…。危ない。そんなこんなはさておき。

参考にさせて頂いたYouTubeチャンネルは金継ぎ図書館/鳩屋さん。前回同様こちらを拝見しつつ、多少省略しながら金継ぎを行うことにした。

www.youtube.com

 

まずは割れた・欠けたパーツに漆を塗るところから。

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漆を断面に均一になるように塗り、その後ティシュで余分な部分を落とす。全てが塗り終えたら、漆を乾かせるために段ボールの中で半日おく。私の場合は半日ではなく、用事があったのでほぼ1日ほどおいた。上の写真は取り出した写真だが、ティッシュオフしてほとんどわからなくなっていた漆の色がとてもはっきりとでていて驚いた。

 

次は割れた破片をくっつける、欠けた部分を補充する作業を。

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麦漆というものを作成し、割れた断面に塗る。そして割れたパーツをくっつけ合わせる。ずれないようにマスキングテープで固定し、また置き方にも工夫しつつ、高温・多湿にした段ボールにいれておく(私の場合は濡れタオルを入れたのみ)。欠けができているコップと皿にも盛るように麦漆をつけ、割れた皿同様に段ボールへ。そこからが長く、約3週間そのまま置いておく。

3週間置いておいたのがこちら、裏返してもまったく問題ないほどに固定されている。固定がきちんとできていれば、はみ出している麦漆を削り取る。

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私は専用の器具などを持っていなかったため、デザインカッターで代用。削りすぎに注意しつつも全体を削る。

その次が難しい接着箇所の隙間をペーストで埋めるという作業。 
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マスキングテープを割れめ・欠けにそってはる。余白は1mm以内くらいだろうか。それを埋めるように砥の粉と漆を混ぜたペーストを塗っていく。約1日で乾くとのことであったが、なかなか乾かず(そもそも金継ぎをするには冬は乾燥しすぎていて不向き)2日ほどおくことに。

乾いた状態のものがこちら。

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マスキングテープをはがし、またデザインカッターで余分な部分を削り取る。それでも残る余分な部分はメラミンスポンジを小さくちぎって、それでこする

綺麗になった状態がこちら。このままでもいいような気もする。
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そしてここからが最後の難関、漆を割れめにそって薄く細く塗る。欠けに関しては、薄く均一に塗る。1時間ほどそのままおき、金粉を蒔く。高温・多湿の段ボールに2日ほどおいて乾かす。

 

そして完成したのがこちら。

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まず欠けていた皿。

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左側にある大き目の欠けがなかなかに難しかった。f:id:yu1Set:20220101181455j:image

そして欠けていたコップ、上からむてもへこみが解らないように。口をあててもほとんど違和感がないよう。


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そして一番大変だった、ニトリのカレー皿。

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裏面はこのような感じ。

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写真では色合いが解りにくいのだが、ちゃんと金色に染まっている状態。

 

3点とも、日常生活に復帰し、さっそく以前カレーを食べ、コーヒーをのみ、おかずを置いてみた。今のところ支障がないため、このまま使っていこうと思う。こうして本来であれば捨てていたであろうものがこうして生き返る。金継ぎを考えた人は偉大だと思う。いつの時代に生まれ、誰が考えたのか…。機会があれば調べてみたいものである。

 

時間と手間がかかるため、簡単に金継ぎをするといいよ!とは言いづらいが、お気に入りであったり、モノを捨てることに抵抗がある人は一つの候補として考えてみるといいのではないだろうか。できる人に頼むのもありかもしれない。金継ぎの代行なんかもできたら面白いが、いかんせん費用と手間が掛かるので悩みどころであるが…しかしながら、せっかくこういった方法があるので、もっと自分でもできるということの認知度があがればと思う。

 

ある程度捨てきった今、「捨てない」方法を模索中である。