より よく 生きる

よりよく生きるために

映画・バケモノの子

夏である。夏になるとサマーウォーズを観たくなると以前どこかしらでいったかもしれない。金ローで放映されるとTwitter社との戦であるがごとく皆が一様に例の言葉をつぶやくわけだが、あのお祭り感も好きだ。ちなみにだがバルスもつぶやく派の人間である。バルスといえばジブリだが、サマーウォーズの監督である細田守監督はジブリとも所縁があるらしい。世界は狭い。

 

今回は細田守監督つながりで「バケモノの子」を観た。ネタバレ交えて綴っていこうと思う。

交通事故で母親を亡くした9歳の少年・蓮。両親は以前に離婚しており、父親は迎えに来ず、少年は親戚に引き取られることになる。しかし、親戚の人たちとは良好な関係とはいいがたいようだった。1人で生きていくと啖呵をきって家を飛び出すも9歳の少年に行く場所などあるわけがなく、夜の渋谷を彷徨うことになる。警察に歩道されかけたところを間一髪逃げ出し、隠れ込んだ路地裏。そこで出会ったのは大きな熊のバケモノだった。師弟となった一人ぼっちのバケモノと、一人ぼっちの少年と。ぶつかり合いながら成長していく2人の物語。

 

ざっと説明するとこんな感じだろうか。

 

まず作品をみて一番に浮かんだのは「千と千尋の神隠し」だった。男鹿さんの描かれるような世界観(実際に男鹿さんも制作に参加されているらしい)。少年がバケモノの世界である渋天街に迷い込むシーンは、とても既視感のあるものだった。一見ありふれた、でも少し不思議な道を抜けて世界が変わっていく、あのドキドキする感覚。「耳をすませば」「千と千尋の神隠し」でも、とてもすきな演出だった。ただ様々な考察を観たせいか少々穿った見方をしてしまってよくない。そのあたりを考慮しないで綴ろうと思う。作品はできるだけ先入観なく、観たいのだが…まぁ仕方ない。

 

バケモノの世界で描かれる「生活感」がとてもいい。バケモノであるが、毎日洗濯や料理をしているところがなんともいい。そこは魔法とかじゃないのか、鶏育てて卵取るのか…とフムフムした。

 

青年になった少年は、わけあって渋谷(要は人間世界)に舞い戻る。そこで楓という女子高生に出会い、人間世界のことを知る。文字や一般教養といったものを学ぶ。そういえば、「おおかみこどもの雨と雪」でも似たような描写があったような気がする。公開当初に観て以来なのであやふやだが。細田守監督のこだわりなのだろうか。図書館で勉強する、というのは図書館司書を生業にしている身としてはなんだか嬉しい。

 

全体の感想として、素直に感動して、素直に観ればいいのではないだろうか…ということ。熊徹が宮崎駿監督、九太が細田守監督で…と妄想するのもそれはそれで面白い。バックボーンというか、そういう見方もありだよね的な。なにより、これは熊徹と蓮(九太)の物語だ。それ以外に関しては少し弱いようにも思う。一郎彦、二郎丸、父親、楓についてはあくまで+αでしかない。その辺りを深めるとおさまりようがないのでそれはそれでいいのだが、心の穴に関してはもう少し深堀してくれてもよかったように思う。

 

何はともあれ、よかった。ちゃんと熊徹に感動した。何故か熊徹のキャストが藤原啓治さんだと思い込み、違ったことにショックを覚えたのは内緒である。役所さんの熊徹もすてきだった。そばかすの姫もいずれ観たいのだが、映像的に目が回りそうで悩んでいる。スマホサイズでみれば大丈夫だろうか。